こんにちは。
「せっかく抱っこで寝たのに、置いた瞬間にギャン泣き。」
「私の腕、センサーでも付いてるの?」
子育てをしていると、誰もが一度はぶつかる“背中スイッチ問題”。
私も何度も心が折れかけました。
ですがこの現象について、2022年に理研の研究チームが興味深いデータを発表しました。
感覚や根性論ではなく、時間に基づいた方法です。
いわゆる「5分・8分の法則」と呼ばれているものです。
この記事では、その研究内容と実践方法を、私の目線で分かりやすくまとめます。
抱っこで泣き止む理由は「輸送反応」
なぜ赤ちゃんは抱っこして歩くと泣き止むのでしょうか。
これには「輸送反応(transport response)」という本能が関係しています。
哺乳類の赤ちゃんは、親に運ばれているときに体を丸め、心拍数を下げ、静かになる傾向があります。
これは外敵から身を守るための適応反応と考えられています。
理研の研究では、人間の乳児にも同様の反応が確認されました。
親が抱いて歩くと、心拍数が低下し、泣き止みやすくなることが測定データとして示されたのです。
理研が示した「5分・8分」のポイント
この研究は、主に生後7か月以下の乳児を対象に行われました。
その結果、次のような傾向が示されました。
① 5分間の連続歩行
泣いている赤ちゃんを抱っこし、約5分間歩き続けます。
立ち止まらず、一定のリズムで歩くことが重要です。
研究では、多くの乳児がこの時間内に泣き止み、眠り始める傾向が見られました。
※すべての赤ちゃんが必ず寝るという意味ではありません。
② 寝入ってから約8分待つ
ここが大切なポイントです。
寝た直後は眠りが浅く、刺激に敏感な状態です。
研究では、入眠後すぐにベッドへ移すと起きやすいことが確認されています。
そこで、寝入ってから約5〜8分間、抱っこしたまま静かに待つことで、より深い睡眠段階に移行しやすくなると示唆されました。
この時間を待つことで、置いたときに起きる確率が下がる可能性があります。
背中スイッチを減らす置き方のコツ
8分ほど経過し、赤ちゃんの体が完全に脱力しているのを確認したら、ゆっくりと置きます。
ポイントは刺激を最小限にすることです。
- お尻から先に置く。
- 急な角度変化を作らない。
- 寝床をあらかじめ温めておく(安全に配慮する)。
頭から下ろすと、落下感覚を引き起こしやすいと考えられています。
小さな変化でも赤ちゃんは敏感です。
できるだけ滑らかに移行させることが大切です。
それでも効かないことはある
この方法は万能ではありません。
研究も「条件下での傾向」を示したものです。
眠くないとき。
空腹のとき。
室温が不快なとき。
こうした状況では当然うまくいかないこともあります。
だからこそ、「絶対成功する方法」ではないことは理解しておきたいです。
論文情報
本記事は、2022年に発表された理化学研究所の研究をもとにしています。
詳しくは、ホームページをご確認ください。
知ることで心が楽になる
正直に言うと、5分歩いて8分待つ。
たった13分です。
でも、泣き続ける赤ちゃんを抱っこしていると、その13分はとても長く感じます。
それでも。
「あと3分歩けばいい。」
「あと4分待てばいい。」
そうやって区切りが見えることは大切なことです。
育児はコントロールできないことの連続です。
でも、科学的なデータが一つあるだけで、気持ちは少し整います。
もし今夜また背中スイッチが発動したら、思い出してみてください。
完璧じゃなくていい。
試せる選択肢が一つ増えただけでも、私は意味があると思っています。
